http://www.huffingtonpost.jp/2014/10/23/craig-spencer-ebola_n_6039390.html
【エボラ出血熱】ニューヨークで発症したアメリカ人医師の行動を追う
The Huffington Post | 執筆者: Andrew Hart & Anna Almendrala
投稿日: 2014年10月24日 13時24分 JST 更新: 2時間前
CRAIG SPENCER EBOLA
アフリカのギニアでエボラ出血熱の感染患者の治療にあたり、アメリカに帰国したニューヨーク市の医師が10月23日、エボラ出血熱検査の結果で陽性だったことがわかった。ニューヨークタイムズ紙が報じた。
ニューヨーク市議会議員のマーク・レバイン氏はロイター通信の取材に対し、この医師の名前がクレイグ・スペンサー氏(33)であることを確認した。報道によると、同氏は23日朝、発熱や胃腸の苦痛といった症状が出ているという。また、ニューヨーク市保健精神衛生局の発表によると、同氏は「個人用防護具を着用し、特別に訓練されたHAZ-TAC隊」によって救急車でベルビュー病院に運ばれた。
スペンサー氏は、アメリカでエボラウイルスへの感染が確認された4人目にあたる。オバマ大統領は、スペンサー氏の診断結果について既に知らされ、病状についても説明を受けた、とCNNのシモン・プロクペッツ記者がTwitterで伝えた。
craig spencer
(Credit: Craig Spencer's Facebook Page)
ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は23日夕方の記者会見で、「ニューヨーク市民が、警戒すべきような理由は何もない」と言い、「感染した人の体液に触れていないニューヨーク市民にとっては、何ら危険はない」と話した。そして、エボラ出血熱患者と地下鉄車両で一緒だったり、そばで過ごしたりしたことでウイルスは感染しない、と述べた。
アンドリュー・クオモ州知事は記者会見で、「私たちはこの状況には準備万全である」と言い、「不幸にも、ダラスではまさに真逆のことが起きてしまった。私たちはダラスの経験から学べる利点がある」と話した。
ニューヨーク市保健当局のメアリー・トラビス・バセット医師によると、スペンサー氏は10月14日にヨーロッパ経由でギニアを離れ、17日にニューヨークに到着した。到着の際には症状はなかったが、予防措置として毎日2回、体温を測っていたという。
21日、スペンサー氏は倦怠感を覚えたが、23日の朝まで何の症状も出なかったとバセット医師は述べた。スペンサー氏は22日に3マイル(約5キロ)のジョギングをし(ブレット医師によると、彼は「気分がとてもよい」状態に見えた、という)、その後ニューヨークの地下鉄A線から1号線、L線と乗り継いでブルックリンのウィリアムズバーグにある「The Gutter」というボウリング場に行った。タクシーの配車サービス「Uber」で手配された運転手は、リスクがあると知らずにスペンサー氏を乗せた。バセット医師によると、ボウリング場にいた時も彼は何の症状もなかったという。
スペンサー氏がアメリカに戻って以降、彼に接触した3人のうち1人は病院に隔離されたとバセット医師は述べた。
スペンサー氏は、SNS「LinkedIn」のプロフィールによると、ニューヨーク長老派病院・コロンビア大学メディカルセンターの国際救急医療チームのフェロー。CNNによると、ニューヨーク長老派病院は「人道的活動に貢献している」としてスペンサー氏を讃える声明を発表した。病院側も、スペンサー氏がギニアから帰国して以降、勤務に戻ったという報告がなかったことを明らかにした。声明全文は以下の通り。
この医師はニューヨーク長老派病院・コロンビア大学メディカルセンターのスタッフで、人道的な活動に貢献している。彼は十分な治療を受けられずに重症になった人々を支援するために医療危機に陥っている地域に行った。彼は情熱に満ちた、信頼のおける医師であり、いつも患者を第一に考えている。彼は帰国して以降、我々の病院で勤務していないし、いかなる患者の診断もしていない。我々の考えは彼と同じであり、我々は、彼が今回の試練を乗り越えることを願っている。
スペンサー氏に陽性反応が出る前に、アメリカ当局はスペンサー氏の帰国後、感染リスクを確認するため、同氏と接触したすべての人の追跡を始めていた。CNNによると、少なくともその中の1人、スペンサー氏のガールフレンドがすでに隔離された。
「国境なき医師団」のスポークスマンはハフポストUS版の取材に対して、「ここ最近『国境なき医師団』と共にエボラ出血熱の感染が拡大したギニアで医療活動を行なっていた『ある人物』が23日の朝、我々の事務所に彼が発熱したという報告があった」と述べたが、その人物がスペンサー氏かどうかについては回答しなかった。「国境なき医師団」はすぐにニューヨーク市の保健精神衛生局に報告したという。「国境なき医師団」の方針として、エボラ熱患者の治療にあたったすべてのスタッフは、帰国後は自分で健康状態を自ら監視している。
15日に発表された声明によると、ニューヨークのベルビュー病院は隔離施設を備え、ニューヨーク市内でエボラ熱患者の診断と治療を行う指定病院のひとつ。エボラ熱の症状が確認された患者を受け入れるために4つの個室病棟がある。その個人病棟は伝染病棟のエリアにあり、エボラウィルスを取り扱う研究所の施設内にある。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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