http://www.asahi.com/articles/ASGBW5S30GBWUHBI01W.html
エボラ隔離「医師らやる気そがぬ工夫を」 オバマ大統領
ワシントン=小林哲
2014年10月27日23時38分
エボラ出血熱の対策として、米ニューヨーク州などが西アフリカでエボラ患者と接触した人の隔離を義務づけたことを受けて、オバマ米大統領は26日、「(現地で治療に当たる)医療従事者のやる気をそがないよう工夫すべきだ」などと述べた。連邦政府として同様の措置の導入に慎重な姿勢を示したものだ。
特集:エボラ出血熱
ホワイトハウスで開いた関係閣僚らによる対策会議で発言した。ホワイトハウスによると、オバマ氏は、西アフリカでエボラ患者の治療にあたる医療従事者について、「エボラ制圧に向けた我々の取り組みに欠かせない存在」と指摘。「我々のとる手段は、医療科学の最良の知見に基づかなければならない」などと述べたという。
ギニアから帰国したニューヨークの医師がエボラ熱と診断されたことを受けて、ニューヨーク、ニュージャージーの両州は、現地で患者と直接接触した人について最大21日間の隔離を義務づけた。
これに対し、ニュージャージー州で隔離された米国人看護師は26日、隔離施設からCNNの電話インタビューに答え、シャワーなどの設備がない場所に閉じ込められているとして、「基本的人権を侵害されたと感じている」などと当局の対応を非難した。CNNによると、隔離を不服として提訴を検討している。
ニュージャージー州のクリスティー知事は27日、急きょ「(看護師は)退院することになる」などとする声明を発表した。25日の検査でウイルス感染していないことが確認され、その後も24時間以上、発症していない、などと説明している。看護師は、メーン州の自宅に戻る予定という。(ワシントン=小林哲)