エボラウイルス疾患(エボラ出血熱)の拡大で感染国の医療が崩壊の危機にある――。国境なき医師団は8月28日、感染者が最も多いリベリアで、最近新設 されたばかりのエボラ治療施設がわずか1週間で満床となったと報告。施設の拡充に努めているものの、来院する患者が後を絶たない状態にあり、医療体制整備 の遅れがさらなる感染拡大につながる危険性が高まっているとし、国際社会の支援拡大を訴えている。

 報告は「リベリア:新設のエボラ治療施設、1週間で満床」のタイトルでホームページ上で発表された。

  それによると、国境なき医師団(MSF)が緊急支援活動を拡大しているリベリアでは、MSFが8月17日に首都モンロビアに新設したエボラ治療施設が開院 から1週間で入院患者が上限である120人に達してしまった。施設のスタッフは、新規来院者の選別から入院患者のケア、遺体の安全な搬出と火葬場への搬送 に追われているという。現在、施設の拡大を進めているものの、十分な体制を整えられていないのが現状だ。

 モンロビア市内ではエボラウイルス疾患が急速に拡大しており、「患者を受け入れている医療施設は少なく、対応が追いついていない」状況にあるといい、「患者や病院職員の恐怖心から、市内の医療体制はほとんど機能していない」と指摘している。

 その上で、「エボラ流行の緊急事態の中で、多くの人が医療を受けられないという新たな緊急事態が発生している」との危機感を示し、国際社会の緊急支援の拡大を訴えている。

  MSFは2014年3月に、西アフリカで発生したエボラ出血熱流行への対応を開始した。4月時点では「過去最大規模の流行になる恐れ」を指摘。現在、ギニ ア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネで活動中だ。MSFが運営する5カ所のエボラ治療施設のベッド数は計415床で、3月以降に受け入れた患者は合 計1885人となったという。そのうちエボラ感染が確認されたのが907人で、回復したのは170人だった。これまでに、184人の外国人スタッフが現地 に派遣されて、現地採用スタッフも1800人に上っている。

■参考情報
「リベリア:新設のエボラ治療施設、1週間で満床」(国境なき医師団)

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/pandemic/topics/201408/538123.html?bpnet