史上最悪、西アフリカでエボラ感染拡大
ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト 6月30日(月)19時27分配信
史上最悪、西アフリカでエボラ感染拡大
ギニアのゲケドゥにあるエボラ出血熱患者隔離施設で遺体を運ぶ国境なき医師団のスタッフ。2014年4月1日に撮影。 (PHOTOGRPAH BY SEYLLOU/AFP/GETTY IMAGES)
西アフリカでエボラ出血熱の感染が史上最悪規模の拡大を続けている。これまでに635人が感染、うち60%以上が死亡している。
世界保健機関(WHO)は先週、感染拡大を防ぐための大胆な対策の必要性を訴え、7月2日と3日にギニアとリベリア、シエラレオネ、近隣8カ国の保健大臣を集めて会議を開催すると発表した。
過去に比べて広範囲に拡大している理由について、コロンビア大学メイルマン公衆衛生大学院、ジョン・スノウ冠教授(疫学)のイアン・リプキン(Ian Lipkin)氏に話を聞いた。
◆過去のエボラ流行は小規模で局地的なものでしたが、今回は非常に広い範囲に及んでいます。違いは何でしょうか?
通常は、エボラ出血熱が発生すると専門家チームが現地に入り、患者や患者と接触する機会のある人々を特定します。隔離によって感染拡大を防ぎ、かなり短期間のうちに消滅させることができます。ところが、今回は農村地域ではなく都市部で流行しています。すべての患者を特定し、住民への教育を徹底することが不可欠ですが、人手が足りていません。
◆エボラウイルスの伝染性は?
伝染性は決して強くありません。感染した動物または人間の血液や臓器、体液と密接に接触しなければうつりません。
◆当初、今回の感染拡大は遺体の体液と接触しやすい葬儀の習慣が原因とされていましたが、今もこの習慣が主な感染経路なのでしょうか?
今でも問題であることは確かです。都市化に伴い、人々が農村での習慣を持ったまま都市部に移住しているのです。
◆最初の感染源は?
主な感染源は野生動物の肉です。感染したチンパンジーやゴリラ、サルなどをハンターが扱うと、皮膚の割れ目や粘膜などから感染してしまいます。
◆エボラウイルスに感染するとどうなりますか?
エボラウイルスは出血熱を引き起こし、激しい炎症反応が現れます。ショック状態に陥り、血圧の維持が困難になります。その結果、あらゆる臓器の不全に至ります。
◆治療や回復は可能でしょうか?
致死率が90%にも上る致命的な感染症ですから、回復することは極めてまれです。治療法はありません。
◆治療薬の開発は行われていますか?
回復した患者から採取したウイルス中和抗体で治療薬を作る研究が進められています。ウイルスの自己複製能力を妨げる薬の開発も行われています。
◆アメリカを含む他の先進国に感染が広がる可能性は?
先進国の医療制度の下で流行が広範囲に及ぶとは考えにくいですね。手袋やガウン、個人用防護具の使用を徹底できますから。エボラが流行するのではとパニックに陥る必要はないでしょう。
◆西アフリカ諸国の対応はどうですか?
どれも裕福な国ではありませんから、医療インフラが十分に整っていません。流行に対処するための資源がないため、外からの援助が必要です。
Karen Weintraub for National Geographic News
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140630-00000006-natiogeog-int