エボラ対策を邪魔する根強い無知と不信
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2014/08/post-3371_1.php
リベリア
エボラ対策を邪魔する根強い無知と不信
Belief in 'Ebola Hoax' Causes Unrest in Liberia and Sierra Leone
患者「解放」事件が起きたのは人々の無知ゆえ。地道な啓発活動が最悪の状況を改善する
2014年8月28日(木)15時32分
チャド・マコーディック
でっち上げ? 隔離施設を襲った集団は「エボラはない」と叫んでいた John Moore/Getty Images
エボラ出血熱が猛威を振るう西アフリカのうち最も被害が大きいリベリアで今月16日、首都モンロビアの隔離施設が襲撃された。棍棒を振り回す暴徒が警察の警戒線を打ち破って乱入し、隔離されていた患者たちを「解放」。血の付いたシーツも含め、医療器具などを手当たり次第略奪していった。
彼らは、病気の流行は政府などのでっち上げと信じていたようだ。当局によると、隔離施設への地元の反感が強いこともある。彼らはよそから患者が運び込まれてくることに怒っていた。
シエラレオネ南東部のケネマの住民も同じような気持ちだろう。エボラ出血熱の流行を受けて、隔離治療拠点がすぐ近くに設けられたからだ。
ケネマでは先月下旬、精神疾患歴のある女性が警察署に現れ、「エボラでっち上げに加担した」と主張。病院の関係者全員で仕組んだというが、本人は看護師でも何でもないと判明したため警察は相手にしなかった。
しかし彼女は市場でも同じことを吹聴。欧米人や医療従事者が故意に感染させているなどの陰謀説が広まっていたことから、怒った人々が病院を襲撃。警官隊が出動する騒ぎとなった。
今では、ケネマ市内の空気も一変した。「みんな本気で怖がっている」と住民のユスフ・ジョニーは言う。政府が仕組んだなどという話ではなく、病気そのものを恐れている。どの住民にとっても、知人がエボラ出血熱で命を落とすという身近な脅威となってきたからだ。
商店主のアブ・バカル・ショーによれば、人々の生活にも影響が出ている。「交際相手にも会おうとせず、ずっと自宅にいる。ここではモンロビアのような襲撃事件は起きようがない」
祈祷師の力も利用する
その後も緊張が続いているモンロビアで必要なのは、エボラウイルスに関する教育だ。人々の無知ゆえに襲撃事件は誘発され、流行も急拡大した。
ケネマでは地元のミュージシャンとDJ仲間が啓発活動を始めた。大きなスピーカーを車に積み込み、人通りの多い街角に乗りつけて即興演奏。集まった人々にエボラ出血熱の症状と予防についてクイズを出す。景品はCDとTシャツだ。
西アフリカのラジオでヒットしている啓発目的の曲もいくつかある。リベリアの「エボラ・イン・タウン」がその筆頭だ。だが最も効果的な啓発方法は人々に直接語り掛けることだと、スアフィアトゥ・チュニスは指摘する。彼女はシエラレオネの首都フリータウンを拠点に、全国各地で予防教育を行っている。
チュニスは流行が初期段階だった4月に、リベリアとギニアの国境付近の村で活動を始めた。「エボラ出血熱は、看病する家族に移る『家族病』と呼ばれる。故郷の村にいる家族のことが心配で、まずは家族の啓蒙から始めた。この辺りでは親戚が3カ国にまたがって暮らしている」
フリータウンで同志を募り、ユニセフ(国連児童基金)や保健衛生省の研修を受け、活動に打ち込んできた。最近も、初の患者が確認されて間もない南部ボンテから帰ってきたところだ。
外部から見ると、シエラレオネは秘密主義で因襲的な社会と言っていい。人々の思考を変えることは難しいため、チュニスは祈?師や心霊治療家にも協力してもらう。彼らの権威を借りて、啓発活動を浸透させるのだ。
流れは変わったと、チュニスは見ている。「みんな何をすべきか理解し始めた。だから病気について過剰な報道はやめてほしい。それより私たちには助けが必要だ。国民に病気の汚名を着せても助けにはならない」
(筆者は米NPOワン・ビレッジ・パートナーズの活動家)
[2014年9月 2日号掲載]
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