http://www.yomiuri.co.jp/world/20141030-OYT1T50026.html
エボラ、見えぬ終息…病床、防護服の不足深刻
2014年10月30日 11時28分
リベリアの首都モンロビアで、エボラ出血熱で死亡したと見られる男性を運んだ後、防護服の上から消毒する医療関係者(21日、AP)
世界保健機関(WHO)のエイルワード事務局長補は29日、エボラ出血熱の感染者が1万3703人に達したと発表した。
深刻な状況が続く西アフリカでは、米英が兵員を派遣するなど支援が広がりつつあるが、医療従事者や物資は不足し、迅速な対応が求められている。(ジュネーブ 石黒穣、ヨハネスブルク 上杉洋司)
◆たらい回し
エイルワード氏は29日の記者会見で、西アフリカのリベリアで「感染者の増加ペースに鈍化が見られる」と述べ、遺体の安全な埋葬など封じ込め策が機能しはじめた可能性を示唆した。だが、同国では「警戒が必要な状況にまったく変わりはない」(国連関係者)と厳しい見方が続く。
WHOの23日現在の集計で、死者数はリベリアで2705人、シエラレオネで1281人、ギニアで926人。支援態勢の整備が追いつかず、感染者用ベッドはリベリアでは約2700床、シエラレオネでは約1200床も不足し、必要数の2~3割程度。ギニアでも必要数の6割にとどまる。
その結果、受け入れ先の医療施設を探して感染者がたらい回しにされる例が現在でもある。3か国では医療従事者が使う手袋や防護服、遺体を収容する袋も大幅に不足している。
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