http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00279446.html
エボラ出血熱 日本でも水際対策を強化するための動きが本格化
10/25 01:20
アメリカ・ニューヨークで、男性医師がエボラ出血熱の検査で陽性反応を示した。
世界的な感染拡大への懸念が高まる中、日本国内でも水際対策を強化するための動きが本格化している。
多くの人が行き交う海外への玄関口、羽田空港国際線では、出発ゲートの奥には、注意喚起の紙が張られていて、警戒を強めている。
エボラ出血熱の陽性反応が大都市ニューヨークで、新たに確認された。
けたたましくなるサイレン。
23日、ニューヨーク市内で高熱を発症し、1人の男性が救急搬送された。
現地メディアは33歳の医師、クレイグ・スペンサーさんだと伝えている。
男性医師は、パトカーに先導された救急車で、厳戒態勢の中、病院に緊急搬送された。
病院では即、隔離措置が取られ、エボラ出血熱の陽性反応が確認された。
国境なき医師団として、西アフリカ・ギニアでエボラ患者の治療にあたっていたスペンサーさん。
10月14日にギニアをたち、ヨーロッパ経由で17日にニューヨークへ到着したばかりだった。
気になるのは、2次感染のおそれ。
男性医師は、病院に搬送される2日前から、体のだるさなどを感じていた。
スペンサーさんは、ニューヨーク北部に住み、搬送される前日の夜に、自宅から地下鉄を使って、およそ10km離れたボウリング場を訪れていた。
そして、帰宅の際には、配車サービスを利用したことがわかっている。
この事態に、ニューヨーク市長は「ニューヨーク市民はパニックになる必要はない。エボラ出血熱に何カ月も備えてきた」と話した。
市長は、スペンサーさんが外出時に、発熱や嘔吐(おうと)などの症状がなく、体液に触れていない市民には、感染の心配はないと強調した。
しかし、市民の間には動揺が走っていた。
ニューヨーク市民は「エボラウイルスがニューヨークに来るのは、時間の問題だった」、「いつも地下鉄使っているよ。OH MY GOD!」と話した。
スペンサーさんは、少なくとも4人と接触したとされ、モニタリングが続いている。
日本に広がる可能性はないのか。
24日夜、感染症の専門家による会議が行われた。
厚労省の新村和哉健康局長は「国民の命と健康を守るという観点から、極めて重要な関心事となっている」と話した。
厚労省は、国内で感染者が発見された場合、本来はインフルエンザ治療薬のアビガン錠の投与を認めることを決めた。
この薬は、エボラ出血熱の治療にも効果がある可能性が指摘されている。
また、国際便のある30の空港では、水際対策の強化を進めた。
ハワイに行く旅行者は「ハワイに行くんで、ちょっと心配ですよね、そういうの聞くと」と話した。
フランスに行く旅行者は「怖いけど、もう予約したんで、行くしかないって感じです」と話した。
また、スペインから帰国した旅行者は「空港内のトイレとかもそうですけど、なんか人が触るようなドアとかは、あんまり手では触らないようにしてましたね」と話した。
ニューヨークでの感染拡大のおそれが、世界に暗い影を落としている。