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エボラ出血熱:未承認薬使用を許容…日本国内での対応協議
毎日新聞 2014年10月24日 23時58分(最終更新 10月25日 00時18分)
エボラ出血熱の感染が拡大しているのを受け、厚生労働省は24日、患者を国内で治療する際の医療態勢や治療方法を検討する専門家会議を初めて開催した。エボラ熱の治療法が確立していない現状では未承認薬の使用も許容されるとの見解をまとめ、富山化学工業(東京都新宿区)の「ファビピラビル」(商品名「アビガン」)の使用を認めることで合意した。
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◇厚労省の専門家会議で合意
アビガンは新型インフルエンザの治療薬として今年3月に承認されている。重い副作用が出る危険性もあるが、エボラ熱に対してマウスの実験で有効性を示すデータがあるという。海外でこれまで4人の患者に投与され、他の未承認薬とあわせて投与された2人の症状が改善している。
未承認薬には他にもエボラ熱の治療に使用されたものが複数あるが、現在、国内で入手可能な薬はアビガンだけという。アビガンは国内に2万人分の備蓄がある。
専門家会議は、国内で感染した患者が確認された場合に医療機関に助言するための組織として厚労省が設置した。西アフリカ・リベリアで治療経験のある国立国際医療研究センターの医師ら6人が参加している。
この日の会議では、未承認薬の使用は患者や家族への同意が必要との指摘や、流行国で実施されている血清療法は日本では困難との見解も示された。【桐野耕一】