http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20140902/413749/?rt=nocnt
2種のウイルス遺伝子を組み込んだ2価ワクチン NIH、英GSK社のエボラ出血熱ワクチンのフェーズI開始へ
2014/9/2
久保田文=日経バイオテク
米衛生研究所(NIH)は2014年8月29日、エボラ出血熱を予防するワクチンのフェーズI(VRC207試験)を、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が翌週から始めると発表した。
ワクチンは、チンパンジーアデノウイルス3型(ChAd3)のベクターに、ザイールエボラウイルスとスーダンエボラウイルスの遺伝子を組み込んだ2価のエボラ出血熱予防ワクチン。ザイールエボラウイルスは西アフリカで今回のアウトブレイクを起こしたウイルスである。投与後、ChAd3は細胞内で複製されず、エボラウイルス遺伝子が細胞内でエボラウイルス蛋白質を発現し、免疫反応を誘導するメカニズムだ。
エボラ出血熱予防ワクチンはNIAIDと英GlaxoSmithKline(GSK)社が開発したもので、健常人を対象に安全性と免疫反応を評価する。試験はメリーランド州ベセスダにあるNIHの臨床センターで実施する。対象は18歳から50歳の健常人20人。まず10人が筋肉注射で低用量ワクチンの投与を受け、残りの10人が高用量ワクチンの投与を受ける。
NIHはこれと並行して、英国を中心とする国際コンソーシアムと提携し、当局の承認を得た上で同ワクチンを健常人に投与する臨床試験を英国、ガンビア、マリで実施する計画だ。加えて米疾病管理予防センター(CDC)は、ナイジェリア厚生省と、ナイジェリアにおいて健常人を対象としたフェーズIを実施できないか議論を始めた。
フェーズIでは少人数を対象に安全性と免疫反応を評価し、フェーズIIではより大人数を対象にする見通し。特定の状況下で感染予防または発症予防の効果が認められれば、フェーズIIIでは主に有効性を評価する。
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