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エボラ熱から「奇跡の生還」、米国人医師にインタビュー

http://www.cnn.co.jp/world/35053298.html

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エボラ熱から「奇跡の生還」、米国人医師にインタビュー

2014.09.04 Thu posted at 10:48 JST

エボラ出血熱に感染して奇跡的に回復した米国人医師、ケント・ブラントリーさん

(CNN) 「もうだめかもしれない」と、一時は死を覚悟していた――。西アフリカのリベリアでエボラ出血熱に感染し、生死の境をさまよいながら奇跡的に回復した米国人医師、ケント・ブラントリーさんが2日、初めて長時間のテレビ・インタビューに応じた。

ブラントリーさんは米NBCテレビの番組に出演し、リベリアでの闘病を振り返った。担当医らは死の可能性を口にしなかったが、直接聞くまでもない。「自分は死にかけていると感じた。世話をしてくれていた看護師に、あとどのくらいがんばれるか分からないと話した」という。

米インディアナ大学での医学生時代からテキサス州フォートワースにあるジョン・ピーター・スミス病院での研修医時代を通し、エボラ出血熱の知識や治療法は十分に習得していた。感染したのが米国内なら、助かるための設備も態勢も整っていたはずだ。しかしリベリアでは、病院がウイルスの温床と化し、相次いで閉鎖されるような状況だった。

エボラ出血熱に感染したのは自身の選択ではなかったが、西アフリカ行きは自ら決めた道だった。助けを必要とする人々に手を差し伸べるのが天職と感じたからだ。

キリスト教団体「サマリタンズ・パース」を通し、昨年から2年間の予定で派遣された。エボラ出血熱の流行が始まってからは診療センターの責任者を務めていた。

発症したのは7月23日の朝。目覚めた時に何となく気分が悪かった。熱は37度台。妻と2人の子どもが何日か前に帰国していたのは唯一の救いだった。この病気は数日間の潜伏期間があるものの、発症前の患者から感染する恐れはないことが分かっている。


ブラントリーさんの症状は悪化し、やがて呼吸が困難になった。「こんなふうに呼吸を続けるのはもう無理だ。しかし自力で呼吸することをやめたら、人工的に呼吸させてくれる設備はここにない」――そんな考えが頭を巡った。

米国で知らせを受けた妻のアンバーさんも、「怖かった」と当時を振り返る。アンバーさんは現地でブラントリーさんの患者を見ていた。「この病気にかかるとどんな経過をたどってどんな最期を迎えるのか、私には分かってしまった」という。

世界保健機関(WHO)によると、現在流行しているエボラ出血熱の致死率は50%以上。ブラントリーさん自身も米国の同僚へのメールに「恐怖に襲われ、ただ必死に祈っている」と書いていた。

しかしブラントリーさんは山場を乗り越え、闘いに勝つことができた。8月2日に帰国し、米ジョージア州アトランタのエモリー大学病院に入った時は、自力で歩けるまでに回復していた。

同21日、ブラントリーさんは完治して退院の日を迎えた。医師や看護師らと握手して抱き合い、「きょうは奇跡的な日だ」とあいさつした。

だがエボラ出血熱との闘いは決して終わっていない。2日朝、リベリアでともに治療活動に当たったもう1人の米国人医師が感染したとの知らせが入った。ブラントリーさんは同僚を思い、「泣きながら長い時間をかけて祈りをささげた」という。

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