ページ

エボラ熱やデング熱が日本列島を跋扈する!? あなたと家族を蝕む「魔の感染症」の嘘と真実


エボラ熱やデング熱が日本列島を跋扈する!?
あなたと家族を蝕む「魔の感染症」の嘘と真実

 池田園子

【第519回】 2014年9月12日        

「致死率90%のエボラ熱が日本にやって来る」「温暖化でデング熱が日本列島を席巻する」――。そんなおどろおどろしいニュースが飛び交うなか、不安を禁 じ得ない人は多いだろう。気がつけば集団感染・院内感染のニュースが相次いでいる結核も心配だ。「未知の病気」「古くて新しい病気」が、今静かにあなたや 家族の生活を蝕み始めている。最もいけないのは、不安に苛まれてパニックを起こすことだ。専門家の声を交えながら、得体の知れない「魔の感染症」の正体や 予防法を紹介すると共に、それらにまつわる嘘と真実を検証しよう。(取材・文/池田園子、編集協力/プレスラボ)

エボラ熱、デング熱、結核――。
日本列島を震え上がらせる「魔の感染症」


 「最近、怖い病気が多くなったな……」
 そう感じている読者は、少なくないのではないだろうか。
 西アフリカで感染が拡大し続ける「エボラウイルス感染症」(通称:エボラ熱、エボラ出血熱)のニュースが報じられてから間もなく、今度は東京・代々木公園における「デング熱」の国内感染が70年ぶりに発覚した。
 エボラウイルス感染症は致死率が非常に高い感染症として知られ、グローバル化で人の往来が激しくなった現在、アフリカから遠く離れた日本で暮らす我々にとっても、無視できない病気になりつつあると言われる。
 またデング熱は、多くの場合症状が軽くて済むが、人によっては重症化する場合がある。媒介となるヒトスジシマカの生息地域は、温暖化により年々広がっていると報じられている。こうした馴染みの薄い感染症に多くの人々は不安を抱き、関係者は対応に追われている。
 そればかりではない。足もとではまだ大きなニュースになっていないものの、日本人なら一度は耳にしたことがある病「結核」も、気がつけば集団感染・院内感染のニュースが相次いでいる。結核(肺結核)は戦前に大流行し、「死の病」と恐れられた。2013年公開のジブリ映画『風立ちぬ』で、ヒロインの菜穂子がこの病と戦う姿が印象的に描かれていたことは記憶に新しい。
 インフルエンザ、ノロウイルス、腸管出血性大腸菌感染症、手足口病、マイコプラズマ肺炎など、日本人を蝕む感染症の種類は多岐に渡る。だが最近名 前が上がることの多い感染症には、これまで日本に住んでいれば心配のなかった病気、日本人がその恐ろしさを忘れていた病気が多いことに気づかされる。得体 が知れないぶん、我々の不安は際限なく広がって行く。「未知の病気」「古くて新しい病気」が、今静かにあなたや家族の生活を蝕み始めているのだ。

最もいけないのは、不安に苛まれてパニックを起こすことだ。たとえばエボラウイルス感染症については、ネットの一部などで「日本にも上陸する」「致 死率90%」「空気感染する」、同じくデング熱については「温暖化の影響もあり、日本全国に広がってゆく」「重症化すると致死率は50%」といった、真実 ともデマともつかぬおどろおどろしい情報が広がっており、それらに踊らされている人もいるようだ。正しい理解を身に付けることが、不可欠なのである。
 得体の知れない感染症の正体は何なのか。予防するにはどうしたらいいのだろうか。今回は、最近耳にすることが多いエボラウイルス感染症、デング熱、結核の3つに絞って、「魔の感染症」にまつわる「嘘と真実」を検証しよう。

エボラ感染者は世界で2万人に増加
いったいどれほど恐ろしい病気なのか?


 まず、国際社会が最も注視しているのが、西アフリカで大流行中のエボラウイルス感染症である。世界保健機関(WHO)は9月5日、感染死者が同日 付で2000人を突破したことを発表したほか、エボラウイルス感染症に対する抗体を持つ「回復した元患者」の血清を使う治療を始めるべきであるとの見解を 示した。
 さらに、現在開発が進められている2種類のワクチンについて、臨床試験によって安全性が確認されれば、早くて11月に現地の医療従事者らへ投与を始める見通しも示している。どれほど恐ろしい病気なのだろうか。
 「最初にウイルスが発見されたのは、1970年代の中央アフリカ。出血を伴う病気として恐れられ、数年おきに200人程度の感染死者が出る小流行 を繰り返していました。今回の流行は2013年12月頃から始まり、WHOの予想によると今後2万人くらいの人が感染すると見られています」
 こう語るのは、ナビタスクリニック理事長で、東京大学医科学研究所 先端医療社会コミュニケーションシステム連携研究部門 客員研究員としても活躍する久住英二医師だ。
 エボラウイルスがどこに潜んでいたかは正確にはわかっていないが、フルーツバット(オオコウモリ)が自然宿主ではないかと推測されている。近代化 に伴い、鉱山開発や森林開発などが進むにつれ、人が自然界に資源を積極的に取りにいくようになった結果、ウイルスと出合ってしまったと久住氏は分析する。 オオコウモリの体内では発症しないウイルスは、人間、ゴリラ、チンパンジーなどの類人猿に感染し、発症する性質を持つ。

 「アフリカは昔と比べると大幅に開発が進み、人の行き来が急増したことが考えられます。加えて長年に渡って内戦が続き、乳児死亡率が世界一の貧困 地帯。さらにWHOが定める最低医療体制となる、『人口10万人あたりの医師20人』の基準にはほど遠い現状があります。日本で暮らしていると想像できな いような人的・物的資源がない地域で、医療従事者の感染も起こっています」(久住医師)

 当初は医療現場に手袋すらなく、素手で救命措置をしなければならないこともあったという。エボラウイルス感染症は患者の体液(血液、分泌物、吐物、排泄物など)や汗に直接接触することで感染するため、それは非常に危険な行為だと言えよう。
 「一般的に体液とは、血液及び粘膜面から出る液体を指し、それらに触れる際は手袋を着用するといった医療従事者向けのガイドラインがあります。し かし、体液ではない汗までもが感染源になると、標準予防策だけでは対応できなくなります。これまで感染者の汗を介してうつる病気は存在していなかったた め、エボラウイルス感染症は他の病気とその点が大きく異なると言えます」(久住医師)


 かねて医師不足が叫ばれ、かつ医療インフラが脆弱なエリアで、医師までもが病気に感染して死亡してしまうと、状況が悪化するのは目に見えている。現在は医療インフラのキャパシティを超えるほど、エボラウイルス感染症がアウトブレイクし、収拾がつかない状態になっている。

40年も前から存在しているのに
なぜワクチンが開発されないのか?


 しかし、素人にとって不可解なのは、約40年前から存在する病にもかかわらず、なぜいまだにワクチンが開発されていないのかという点だ。それは、「ワクチンを市場に出すまでにかかる巨額の資金と貧困国との事情が絡み合っているため」(久住医師)である。
 「製薬会社が1つのワクチンを市場に出すまでには、約1000億円の資金が必要だと言われています。膨大な予算を注ぎ込んでつくったワクチンが売 れなければ、企業としては大失敗に終わってしまう。現状、エボラウイルス感染症患者は1万人もいませんし、アフリカの人々にとってワクチンは『高すぎて手 が出ない』となると、企業は進んでワクチンをつくろうとはしないでしょう」(久住医師)
 確かに、開発したワクチンを誰も使えないのであれば、新たにつくり出すのはナンセンスだし、開発が遅々として進まないのも理解できる。その結果、重症化予防はおろか、発症予防や感染予防すらできず、亡くなっていく患者が出てきてしまうのだ。

 ただし、手立てが全くないというわけでもない。先日、米国人医師がエボラウイルス感染症に感染し、本国へ帰国して未承認薬『ZMapp』の投与を 受けて回復した。一方、リベリアに止まり治療を受けた医師は亡くなっている。果たしてその薬が効いたのか、医療インフラが整備されたアメリカで治療が行わ れたからなのかは、わからないという。
 なお、「ZMapp」は軍の予算で開発されている。感染症はバイオテロリズムと表裏一体ともいえ、危険な病原体はテロに使われる可能性があるためだ。英グラクソ・スミスクライン社も、9月から臨床試験を始めると発表している。
 「このようなワクチンや治療薬は、自国民を守るために国家備蓄されることが多く、ある程度売れます。そうでなければ、1000億円もかけられないというのが実情でしょう」(久住医師)
 ここで、エボラウイルス感染症の症状について、改めておさらいしておきたい。感染から発病までの2~21日の潜伏期間を経て、発熱や頭痛、倦怠 感、筋肉痛、咽頭痛などの症状が現れる。さらに、下痢や嘔吐、腎機能障害が引き起こされ、出血症状が出現。ショック状態に陥ると、血圧が下がって危険な状 態になるという。
 血液が体内を巡らなくなると、脳や生命維持に必要な臓器の酸素欠乏を引き起こし、最終的には臓器の機能がストップして、多臓器不全による死に至っ てしまうのだ。もし日本でそのような状態になりそうな場合は、酸素を吸引させ、場合によっては人工呼吸器をつけ、点滴をして血圧を上げるなど、集中治療を 行うことになるという。

 「抗ウイルス薬やワクチンがなかったとしても、アメリカや日本、イギリスなどの医療インフラが整備された先進国で治療を受けると、現在提示されている約50%よりも死亡率は低くなります」(久住医師)

エボラの感染力はそれほど強くない
死亡者数は国内インフル患者より少ない


 最も気になる日本人の感染リスクは、どうなのだろうか。ネット上では、「エボラウイルス感染症は日本にも来る? 怖い」といった趣旨の書き込みが 散見される。これに対して久住氏は、「エボラウイルス感染症の感染力は、決して強いとは言えない」と指摘し、日本で広まることはないだろうと話す。
 「エボラウイルス感染症は昨年12月から騒ぎになり、感染患者は約3500人、死者は全世界で約2000人(2014年9月5日現在)です。この 数字と比較するために、日本国内のインフルエンザ死亡者数を挙げると、年間で約1万人になります。両者を比べると、空気感染しないエボラウイルス感染症の 感染力の弱さは明らかです」(久住医師)

 インフルエンザは発病前からウイルスをまき散らす点が特徴だが、エボラウイルス感染症は重症患者と直接接触しない限り、うつることはない。たとえば、空港で「アフリカ帰りで具合が悪い方は検疫へ立ち寄って」といったフォローを行えば、水際作戦は機能するだろう。
 「また、今後はワクチン開発も進んでいくと思われます。さらに、カナダで開発が進められている治療薬や、日本の抗インフルエンザウイルス薬・ファビピラビルの有効性が確認されれば、この病気も制圧されるはずです」(久住医師)

 エボラウイルス感染症は、確かに恐ろしい病気に違いない。だが、環境的にも感染力の弱さからも、日本にとってのリスクはそれほど高くないと言えそうだ。

首都圏をパニックに陥れたデング熱
出血症状でも命を落とすことはない


 続いては、日本国内で日に日に感染者が拡大しているデング熱。代々木公園を皮切りに、明治神宮外苑や外濠公園などでも感染の疑いが発覚し、媒介と 見られるヒトスジシマカの駆除作業が行われたほか、近隣の自治体も住民への注意喚起を呼びかけたり、蚊の採取を行ったりと対応に追われている。
 感染メカニズムは、蚊がウイルス感染者を刺すと、蚊の体内でウイルスが増殖し、同じ蚊が別の人を刺すことで感染が広がっていくというもの。人から 人へと直接感染する病気ではない。一般的に体内からウイルスが消えると症状も消失するが、稀に出血症状を起こして重症化する患者もいる。
 重症化した場合は、どう対処したらいいのか。ウイルスに感染し、血管内皮細胞が機能低下すると、血管から血液の成分である血漿が漏れ始め、血圧が 下がってショック状態に陥る。この症状に対しては、点滴をして血管内の水分を増やすことで対処する。また、血を固める血小板や、血液凝固因子が減少して、 出血しやすくなる。出血した場合には、血小板や赤血球、新鮮凍結血漿を輸血する。
 いずれにせよ、「ショック症状や出血症状が起きたとしても、医療インフラが整った環境下で命を落とすことはありません」と前出の久住医師は解説する。

 厚生労働省の最新の報告によると、感染が確認された人は15の都道府県で80人に及ぶ(2014年9月8日現在)。全員が8月に代々木公園やその周辺を訪れており、1ヵ月以内の海外渡航はしていないという。
 今回のデング熱は、国内での感染発覚がおよそ70年ぶりとなる。1940年代には東南アジアからの帰還兵が感染源となり、長崎や神戸、大阪など港のある街を中心に流行したが、その後、国内感染は確認されていなかった。

蚊の行動範囲は直径100メートル
そこに患者がいなければ心配なし


 では、予防するには何を心がければいいのか。
 「問題となった蚊(ヒトスジシマカ)の行動範囲は、直径100メートル。その範囲内にデング熱の患者がいないとうつりません。蚊を恐れることも大 事ですが、まずは患者が近くにいなければ不安に感じる必要はありません。そのような性質からデング熱は、都市部の人口密集地で流行る病気と言えます。水の きれいなところ(山地など)に住む蚊を介して感染する『マラリア』とは、逆なのです」(久住医師)

 代々木公園では、半径75メートル程度の範囲で消毒作業が行われていたが、この他にどのような対策を講じればよいのだろうか。
 「デング熱が発生したエリアの蚊を駆除すればよいので、対策は非常にシンプルです。ただし『誰から感染したか』が問題になります。海外渡航者から の感染ではなく、日本に住んでいる人からの感染となると、日本にデングウイルスが定着していることになりますから。最近『デング熱かもしれない』と病院を 訪れる人は、感染発覚時に代々木公園を訪れていたという人が多いです。そのため片っ端から検査をすると、今以上に多くの患者が見つかる可能性もあるでしょ う」(久住医師)
 ともあれ、デング熱は実際のところ、どれほど広がっているかわからない状況だという。しかし、ヒトスジシマカは10月頃までしか生きらられず、冬 を越すことはないため、騒動は自然と終息していくと見られている。仮に100人規模で患者が出たとしても、人から人へと媒介する蚊がいなくなれば、自然と デング熱の拡大はリセットされる。さらに、現在デング熱のワクチンが開発段階にあり、臨床試験を行っている最中だという、頼もしいニュースもある。

 デング熱に大騒ぎの日本列島だが、デング熱以上に恐れるべき病気があるはずだと、久住医師は明言する。
 「統計上、麻疹(はしか)は1人の患者から空気感染し、約16人にうつります。風疹(ふうしん)も、同じく約12人にうつります。2011年に東 南アジアで風疹が大流行した後、日本に上陸し、2012年に患者が増え始めて、2013年にピークを越えました。東南アジアの感染症は、日本と切っても切 り離せない病だと考えてもよいでしょう。現地ではワクチンの接種率が上がっていないので、何年おきかのペースで流行が繰り返されています」(久住医師)

 ワクチンはあるものの、特効薬がない病気に麻疹や風疹、水疱瘡(みずぼうそう)、おたふく風邪などがある。一方、デング熱はワクチンも特効薬もない病気だ。久住医師は、「海外渡航する人に限らず日本にいる人も、できる限り事前に対策を打っておくべきです」と助言する。

 こうした話から判断するに、デング熱は感染リスクが低く、万一感染しても重症化するケースは少ないものの、目下明確な予防法がないという意味では、意外と厄介な病気であることがわかる。

古くて新しい亡国病・結核の猛威
実は今でも世界最大の感染症の1つ


 最後は、「古くて新しい病気」の代表格と言える結核について分析しよう。これは結核菌に感染することで引き起こされる病気で、感染後半年~2年ほ どの間に咳や痰、微熱などの症状が現れ、血痰や体重減少、食欲低下なども見られる。かつて日本で大流行したのは、肺に感染する「肺結核」だった。
 「肺結核の場合は、他人が咳やくしゃみをすることによって、唾などのしぶきに含まれる結核菌を吸い込むと、その菌が肺胞にまで達した場合に感染し ます。麻疹と同じように感染性が強く、現状、ワクチンも存在しないため、結核菌の感染を予防することもできません」(久住医師)
 戦前、結核は日本人の死亡原因のトップを占め、「亡国病」と呼ばれていたほどで、年間十数万人が命を落としていたという。
 戦後は結核の流行が収束したかのように見えたが、1970年代後半から患者数・死亡者数の減少スピードが鈍化。1997年には発生率が再び増加に 転じ、国も拡大防止の取り組みを行ってきたが、近年結核の集団感染・院内感染が後を絶たない。その背景には、結核への免疫を持たない人々の増加や診断の遅 れなどがあるとされる。

 「日本で結核と言うと、『過去の病気』というイメージが強いかもしれませんが、世界最大の感染症は結核とマラリアだと言われています。中でも今、 世界的に結核が問題になっているのはロシアです。ドラッグを注射で回し打ちした結果、HIV患者が多く出ています。HIV感染は免疫機能が著しく低下する ため、結核にかかりやすくなるのです」(久住医師)

 結核は、決して「昔の病気」ではないのだ。もし結核に感染してしまったら、どうすればいのか。一般的には薬物治療を行うが、薬の飲み方には特徴がある。

 「結核にかかると4種類の抗結核薬を飲む“カクテル治療”を行います。4つのうちのいずれかが効いて、病気をコントロールできればよいのです。一方で、1種類しか飲まないと耐性菌が生き残ってしまう可能性があります」(久住医師)

この世に存在する抗結核薬が
全く効かない「超多剤耐性結核」も


 ところで、グローバルでも注視されている結核は、近年「耐性菌」がどんどん生まれ、問題になっている。恐ろしい話だが、この世に存在する抗結核薬 が全く効かない「超多剤耐性結核」(Extensively Drug-Resistant Tuberculosis)も出ているというのだ。
 結核治療において重要なイソニアジドとリファンピシンの2薬への耐性を持つ「多剤耐性結核」も、深刻な問題になっている。これには、十分な治療を受けられなかったり、薬の服用が不規則になったりすることが背景にある。
 久住氏は「結核はいまだに世界のメインストリームにいる『ある種の成功した菌』と、その脅威について語る。
 「核家族化の影響で状況は変わってきましたが、結核菌は祖父母から孫へと60年ほどのスパンで、次次世代にうつって生存し続けてきました。子ども の頃に感染するものの、ほとんどの人は発病することがないのですが、年を取って免疫力が下がると菌が再活性化して、発病することがあります」(久住医師)

 体内に菌を持っていても発病しない人が多いが、加齢によって菌が活性化し、孫世代に感染するという「巧妙な菌」なのである。
 日本では抗がん剤やリウマチに効く薬が出て来たが、これらの薬は免疫力を低下させ、結核を発病させやすくすると言われている。結核には、いったん 体内に潜伏した菌を再活性化させないようにする手立てはない。また、いつ当事者になるかもわからないし、感染を止めることもできない病気だが、血液検査で 結核感染の有無を調べることは可能だという。

 日本人とって古くて新しい「結核」は、そのしぶとさゆえに、想像以上に怖い感染症と言えそうだ。

「未知の病気」「古くて新しい病気」
にまつわる嘘と真実を正しく理解しよう


 最悪の場合、命を落とす可能性もある「未知の病気」「古くて新しい病気」について、無知は罪とも言える。「知らなかった」では取り返しがつかない こともある。しかしその一方で、不正確な情報に踊らされ、不安を募らせることはナンセンスだ。少なくとも普通に生活している限りは、こうした感染症にかか るリスクは高くはないのだから。
 世に溢れる不安な情報の「嘘と真実」をよく吟味し、まずは正しい知識を身につけることから始めよう。

(参考URL)
●エボラウイルス感染症
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NBJZP16JIJUS01.html
http://www.who.int/csr/disease/ebola/situation-reports/5-september-2014-en.pdf

●デングウイルス感染症
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dengue_fever_jirei.html
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dengue_fever.html

●結核
http://www.otsuka.co.jp/health_illness/kekkaku/kekkaku01.html



http://diamond.jp/articles/-/59019



このダイアモンドオンラインのコラム記事を読んだ印象はあまり感心しないものだ。記事を書いた記者の問題かネタを提供した医師の問題か読み手の問題か分からないが、これでは啓蒙記事として逆効果だろう。

エボラウイルスの治療薬が出来ない理由は発生地域が貧しい国に限定されていて製薬会社の市場として魅力的じゃないからという下りは他の記事でも見たように思うがこれは嘘だろう。データが取れる症例数が少ないのが原因だ。

製薬会社は特効薬を他より早く開発して特許を押さえて儲ける準備はしたい。

今回は神の意志で?欧米人にまで感染させた。待ったなしだ。西アフリカの情勢は悪化の一途。世界が支援に乗り出している。このような状況で前出のビジネス性を論じることすらナンセンスだろう。どの製薬会社が何ができるか右往左往しているのだ。治療薬開発遅れをビジネス性で片づける感性に疑問をもつ。

インフルエンザの方がエボラより恐ろしいような記事にも問題。この人にどちらかを注射で体内に送り込むと言ったらインフルを避けてエボラを受け入れるだろうか。全くクレージーな話だ。死者数の母数が全く違うだろう。統計の嘘を書くような人には啓蒙記事を書く資格はないのではないか。

エボラもデングもヒトがウイルスのキャリアになっている本質をとらえる必要があるようだ。




ブログ アーカイブ

「当サイトを振り返る」

このように記事を並べても、当座は兎も角、後で見ても役に立たない。何らかの体系化が欠かせない。構造は単純で構わない。※

アクセスの多い投稿:週間

アクセスの多い投稿:月間

アクセスの多い投稿:年間