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エボラ扱う「BSL4」の早期稼働求める 自民が提言




http://www.asahi.com/articles/ASGC646B4GC6ULBJ00K.html

エボラ扱う「BSL4」の早期稼働求める 自民が提言

伊藤綾、菅野みゆき

2014年11月7日09時07分

写真・図版国立感染症研究所村山庁舎にあるBSL4に対応できる施設。病原体が外に漏れないよう専用の機器に入れて扱う=東京都武蔵村山市、同研究所提供

 自民党の国際保健医療戦略特命委員会は6日、エボラ出血熱対策の提言案をまとめ、危険性の高い病原体を扱う研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」の速やかな稼働を求めた。参院厚生労働委員会で同日可決した感染症法改正案の付帯決議にも早期整備の必要性が盛り込まれた。施設稼働を求める声が強まっているが、稼働に反対する地元住民らの不安の解消は進んでいない。

    特集「エボラ出血熱」

 感染症の病原体を扱う施設は世界保健機関(WHO)の基準で四つに分類され、エボラウイルスなどは漏れ出ないよう特別な設備を備えた「BSL4」でないと治療薬の研究開発ができない。日本学術会議の調べでは、19カ国で40施設以上あるが、G8諸国で未整備なのは日本だけだ。

 対応できる施設は1981年に国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)に、84年に理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県つくば市)に建設された。だが、地元住民の反対が根強く、厚労省がいずれもBSL4に指定していない。

 感染研の施設は、危険度が一つ低い病原体を扱うBSL3施設として稼働している。エボラウイルスの感染は確認できるが、ウイルスを分離して起源や特徴を分析できない。治療している患者が完全に治ったかを調べる検査もできない。感染研の西條政幸・ウイルス第一部長は「エボラ以外にも日本にない病気がいつ入ってきてもおかしくない。感染症対策の研究を進めていく必要がある」という。

 武蔵村山市は「もし漏れ出たら、住民が危険にさらされる」。先月22日に塩崎恭久厚労相あてに、施設を稼働しないことと移転を求める要望書を出した。

 長崎大もBSL4施設の設置を目指しているが、周辺住民が反対している。住民の会代表の下田豊さんは「施設の重要性はわかるが、なぜ住宅地の中に建設するのか」と訴える。

 BSL4施設は世界では70年代から利用が始まったが、実験中に病原体が外に漏れて感染者が出たという報告はこれまでない。

 森田公一・長崎大熱帯医学研究所長は「正体がわからないものに対する不安感は理解できる。地元への丁寧な説明を続ける。施設の運用マニュアル作成は外部の識者も参加してもらって透明性を高め、住民の意見も取り入れたい」と話す。(伊藤綾、菅野みゆき)

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