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資金殺到のエボラ関連銘柄、その実態

富士フイルムホールディングスが開発したアビガン(ファビピラビル)が、エボラ出血熱の治療に効く可能性

http://toyokeizai.net/articles/-/51923

資金殺到のエボラ関連銘柄、その実態
2週間で株価4倍、その賞味期限は?
島 大輔 :東洋経済 編集局記者
2014年11月04日

10月以降、世界の主要株式市場が調整に見舞われる中、国内の「エボラ関連銘柄」は逆に急騰している。

たとえば米国デュポン社製の防護服販売を手掛けるアゼアス。10月1日終値471円から、17日には取引中に1890円の高値をつけ、2週間で株価は4倍になった。

ここ数年同社の業績は伸び悩み、2014年4月期の営業利益は1億1900万円まで縮小。9月に最も売買高が少なかった日は、2万3200株の商いしかなかった。しかし、10月17日の商いは、1255万株まで膨らむ大盛況となった。

ほかにも、日本エアーテック、ダルトン、日本アビオニクスなど複数の銘柄が、「エボラ関連銘柄」として高騰している(上表)。
株価は実態から離れた水準に

これはアベノミクス効果が薄れ、株式市場が材料を欠いていたことが背景にある。大手証券会社の株式調査部長は「全体相場が軟調な中で、短期筋がエボラ関連銘柄に飛びついた。『買いが買いを呼ぶ』展開で、株価は実勢から離れた水準になっている」と指摘する。

10月1日から17日にかけて株価が2.8倍になった日本エアーテックは、クリーンルーム技術を応用した隔離搬送用のバイオセーフティカプセルなど、感染防止設備を展開している。しかし、同社の大重一義管理本部長は、「医療機関などからの受注増につながる可能性はあるが、現時点ではエボラ出血熱対策の受注は入っていない」と語る。

同じく、クリーンルームから派生した感染防止設備を医療機関向けなどに製造販売するダルトンも、目立った受注増には至っていないという。


http://toyokeizai.net/articles/-/51923?page=2

資金殺到のエボラ関連銘柄、その実態
2週間で株価4倍、その賞味期限は?
島 大輔 :東洋経済 編集局記者
2014年11月04日

もっとも、短期で値幅取りを狙うデイトレーダーにとってみれば、値動きが激しく、ある程度の売買代金のボリュームがある銘柄は、格好の投資対象となる。

アゼアスの場合、10月17日に1890円の今年最高値をつけた後、22日にはそこから半値以下となる893円まで一時急落した。だが、28日に1500円まで切り返すなど、乱高下している。

これまでのところ、エボラ関連銘柄は全体相場が下落する日に上昇し、全体相場が上昇する日は利益確定売りに押されるという、逆相関の動きをする傾向がある。全体相場が落ち着きを取り戻すまで、関連銘柄は資金の逃避先となる可能性がある。

既述のエボラ関連株は中小型株に位置づけられるが、大型株で関連として挙げられるのが、富士フイルムホールディングスだ。値動きこそ派手ではないが、株価は堅調な上昇トレンドにある。
未承認だが特例で使用を許容

傘下の富山化学工業が開発し、今年3月に国内で承認されたインフルエンザ治療薬「アビガン(一般名ファビピラビル)」が、エボラ出血熱の治療にも有効ではないかと期待されている。

エボラ出血熱治療薬としてはまだ未承認だが、10月24日には厚生労働省の専門家会議で、日本で感染者が出た場合、例外的に使用を許容する方針が決定された。

27日には、リベリア帰りの男性が空港で発熱症状を訴え、エボラウイルスの感染が疑われた。検査の結果は陰性だったが、あらためて国内で発症者が出る可能性が意識され、翌28日のエボラ関連株に投資資金が殺到。同日、富士フイルムの売買代金は約540億円と全体3位で、5位のトヨタ自動車を上回った。

今のところ、アビガン錠の動向が富士フイルムの業績に与える影響は軽微。投資には事務機器や液晶フィルムなどの主力事業の状況を踏まえての判断が必要だ。

(「週刊東洋経済」2014年11月8日号<11月4日発売>掲載の「核心レポート03」を転載)



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